【2026年度】東京都の蓄電池補助金|事前申込から入金までの順番と、契約前にしてはいけないこと
この記事のまとめ
- 東京都の蓄電池の助成は、売買やリースの契約を結ぶ前に「事前申込」をするのが出発点で、事前申込の受付日より前に契約したものは、決められた期間を除いて対象外になる
- 助成額は蓄電容量1kWhあたり10万円で、助成対象経費(税抜)が上限。DR実証に参加しない場合は1戸あたり120万円が上限
- 順番は、事前申込、契約、設置と全額の支払い、交付申請兼実績報告、審査と交付決定(額の確定)、助成金の支払い
- 現金払いは対象外で、事前申込の日より前に支払いが終わったものも原則として対象外。交付申請の時点で全額の支払いが済んでいる必要がある
- 2026年10月1日以降の事前申込は、2026年4月1日〜6月30日に契約した事業などを除き、SIIの令和8年度の登録機器だけが対象で、2026年11月7日時点のページの表示は「受付中」
東京都で蓄電池をつける場合の助成は、順番を守ることが条件の中心です。売買やリースの契約を結ぶ前に「事前申込」をし、設置と全額の支払いが終わってから「交付申請兼実績報告」を出し、審査を経て交付が決まり、助成金が支払われます。契約や支払いを先に済ませると、対象外になる場合があります。この記事は、クール・ネット東京(東京都環境公社)の令和8年度のページ、交付要綱、実施要綱、FAQを2026年11月7日に開いて確かめた内容です。
東京都以外の都道府県や、国の補助が終わった後の探し方は、国の蓄電池補助金(DR補助金)が終わった後に使える補助金の探し方にまとめています。この記事は東京都の制度だけを扱います。
誰が、どの機器で、いくら受け取れるのか
対象者と条件は、交付要綱・実施要綱と、クール・ネット東京のページ(事業概要)では次のように定められています。
| 項目 | 内容(原文の要点) |
|---|---|
| 対象者 | 助成対象機器を所有し、東京都内の住宅に設置する個人・法人・管理組合。機器をリースなどで貸す事業者は、使う人と共同で申請する場合に対象。国と地方公共団体は除く |
| 住宅 | 都内の住宅。他の人が所有する部分がある場合は、設置について全ての所有者の承諾を事前に得る |
| 機器 | 未使用品で、都内の住宅に新規に設置する蓄電池システム。設置後もメーカー保証が適用される状態であること |
| 登録 | 国の補助事業の対象機器としてSIIに登録された機器。2026年10月1日以降に事前申込をする場合は、令和8年度の国の補助事業(戸建住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業)の登録機器に限る(2026年4月1日〜6月30日に契約した事業などを除く) |
| 設置期間 | ページの主な助成要件では、2026年4月1日から2029年3月30日までに設置(交付要綱第5条の条文では、期間の始まりは2022年4月1日) |
| 重複 | 都と東京都環境公社の、同じ種類の助成金を重ねて受けないこと |
助成額は次のとおりです。
| 区分 | 助成額 | 上限 |
|---|---|---|
| 蓄電池システム(新設) | 蓄電容量1kWhあたり10万円 | 助成対象経費(税抜)。DR実証に参加しない場合は1戸あたり120万円 |
| 蓄電池ユニットの増設 | 蓄電容量1kWhあたり6万円 | 助成対象経費(税抜)。DR実証に参加しない場合は1戸あたり72万円。増設後の機器構成がSIIの登録機器で、要件を満たす太陽光発電システムが設置済みであること |
| DR実証に参加する場合の加算 | エネルギーマネジメント機器・IoT機器を設置するなら1台あたり15万円、設置しないなら1台あたり10万円。新設するIoT関連機器が蓄電池パッケージに含まれる場合は10万円の加算だけ | 加算を含めた額と助成対象経費(税抜)を比べ、小さい方が助成額(ページの計算式) |
| リフォーム瑕疵保険等 | 1契約あたり7,000円 | - |
助成対象経費は、機器費と工事費(リフォーム瑕疵保険等に入る場合は、その保険料と検査料)から消費税を除いた額で、諸経費は含まれません。国や他の自治体の補助金を受ける場合は、助成金とその補助金の合計が助成対象経費を超えない範囲で交付されます。
太陽光発電システムの条件も確かめておきます。実施要綱では、要件を満たす太陽光発電システム(出力50kW未満など)が設置済みか、蓄電池と同時に導入する場合は1kWhあたり10万円です。要件を満たす太陽光がない場合や蓄電池だけを設置する場合は、実施要綱の別表にある再生可能エネルギー電力メニューを契約し、その電力が住宅に供給されていることが条件に付いています。この場合、交付要綱第16条では、別表3の処分制限期間(蓄電池システムは6年)が過ぎるまで、再生可能エネルギー電力メニューの契約を続けることが交付の条件です。自分の家がどちらに当たるかは、見積もりの前に窓口で確かめます。
DR実証(需給ひっ迫時などに、登録アグリゲーターが遠隔で蓄電池を制御する実証)に参加するかどうかで、上限と加算が変わります。参加する場合は、登録アグリゲーターの販売事業者に交付申請などの手続の代行を依頼し、委任状を出すことが要件です。
事前申込から入金までの順番
交付要綱の条文と、クール・ネット東京のページ(受付期間・申請の流れ)に書かれた順番を、時系列に並べます。
- 認証用メールアドレスの登録。ページの申請の流れで、最初の手順になっています
- 住宅の所有者の承諾を得る。事前申込をする人と住宅の所有者が違う場合は、事前申込の前に承諾が必要です(交付要綱第8条)
- 事前申込。見積書と個人情報の取扱いに関する同意書(誓約書)を出します。事前申込の受付は2026年5月29日に始まっています
- 売買契約・リース契約を結ぶ。公社が事前申込を受け付けた日より前の契約は対象外です(交付要綱第6条)。受け付けると、公社から事前申込をした人に通知があります(同第8条)
- 設置工事と、費用全額の支払い
- 交付申請兼実績報告。受付は2026年6月30日に始まっています。書類は契約書の写し、助成対象経費の内訳、保証書の写し、設置の写真、金融機関発行の証明書など
- 審査と交付決定。公社は書類審査(必要に応じて現地調査)をして、予算の範囲内で交付か不交付かを決め、交付する場合は額も確定して通知します(交付決定通知書兼助成金確定通知書)
- 助成金の支払い。額を確定したら速やかに支払う、と交付要綱第19条にあります
事前申込の有効期限は、受付日から1年以内です。この間に交付申請が出ないと、公社が事前申込を廃止します(工期や製品の納期などの事情があれば、あらかじめ公社と協議し、認められる場合があります)。廃止された事前申込は、原則として元に戻せません。交付申請の期限は、事前申込の有効期限と2029年3月30日のうち早い方です(交付要綱第12条)。
交付申請の書類に不備があり、公社が最初に修正を求めた日の翌日から180日以内に全ての不備を直さないと、申請を撤回したものとして扱われることがあります(交付要綱第12条)。
審査にかかる日数や、決定から入金までの日数は、確かめた資料に数字が見つかりませんでした。日程に余裕のない資金計画は避け、日数は窓口に聞いて確かめます。
契約前・支払前にしてはいけないこと
交付要綱とFAQで、「してはいけない」と読める点を挙げます。
1. 事前申込の前に契約を結ばない
交付要綱第8条は、助成対象機器の売買契約やリース契約、リフォーム瑕疵保険等の契約を締結する前に事前申込をすることを求めています。第6条は、事前申込の受付日より前に契約した経費、または契約して工事したものの経費を、助成対象経費にしないと定めています。
例外は、2026年4月1日から6月30日までに契約や工事をした事業です。この期間のものは、2027年3月31日までに事前申込をすれば令和8年度事業として認められます。2026年11月7日の時点でこれから契約する人は、例外に当たりません。
2. 事前申込の日より前に支払いを済ませない
FAQでは、支払完了日は事前申込日以降である必要があり、事前申込日より前に支払いが完了していれば、原則として対象外です。手付金や前払金は、契約条件として事前の支払いが必要で、契約書にその支払条件が明記されている場合に限って認められます。
3. 現金で払わない
FAQでは、現金払いは支払いの事実を客観的に確認できないため、助成対象外とされています。ほかに、他の取引との相殺、代引き、暗号資産、手形、小切手、ファクタリングも対象外です。対象になるのは、銀行振込、クレジットカード払い、クレジット・信販払い、ローン払い、デビットカード払い、電子マネー・QRコード決済など、金融機関などの書類で支払日・金額・支払元・支払先が分かる方法です。
4. 本人以外の名義で払わない
支払いは、原則として申請者本人名義の口座やカードで行います。住民票上の同一世帯の人の支払いは、代理支払いの同意書と住民票を出せば認められます。同一世帯でない親族や知人による支払いは認められず、申請者が個人の場合は法人名義の口座からの支払いも認められていません。同一世帯でない親族が払う場合は、その親族が申請者になる必要があるとFAQにあります。設置事業者の立て替えも認められないとFAQにあります。
5. 全額を払い終える前に交付申請をしない
FAQでは、交付申請兼実績報告を出す時点で、助成事業にかかる支払いを全て完了している必要があります。助成対象経費だけでなく、工事の契約上の支払い全額が対象です。直接の分割払いで支払いが残っているなら、全額を払ってから申請します。目的別ローンやクレジット・信販払いは、支払いの実行が確認できれば返済の完了前でも申請できます。
6. キャッシュバックや商品券を経費に入れない
ページには、キャッシュバックを予定している契約では、その額を助成対象経費から除き、契約書の内訳に記載して出すとあります。振込手数料、分割払いの手数料、ローンの金利は、助成対象外の経費です。
7. DR実証の契約を、交付申請より後にしない
DR実証に参加して加算を受けたい場合は、交付申請兼実績報告の前にDR実証の契約を結びます。報告の受付後に結ぶと、DR実証参加の上乗せは適用されないとページにあります。
受付期間と予算の状況
2026年11月7日にページを開いた時点の状況です。
- 事前申込は2026年5月29日から、交付申請兼実績報告は2026年6月30日から受付が始まっていて、ページの表示は「受付中」でした
- ページには令和8年度の予算額として、約1,012億円(「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」全体)が書かれています。蓄電池分の残額や、予算に達した場合の受付終了の扱いは、ページには載っていませんでした
- 交付要綱第15条では、交付か不交付かは公社の予算の範囲内で決められます。同第12条には、理由を問わず交付決定を受けられなかった場合は自らの負担になる、とあります
予算の残りは公式の数字で確かめられなかったので、受付中の表示は、これから申し込んでも交付される保証にはなりません。契約の前に、予算の状況を窓口に聞いておくのが安全です。
自分でできることと、窓口に聞くこと
自分でできること
- 見積書の機器名と型番が、SIIの令和8年度の登録機器に載っているかを、SIIの登録製品一覧と、販売店への確認の両方で確かめる
- 住宅の所有者全員の承諾を取る
- 支払い方法を、銀行振込やクレジットカードなど、金融機関の記録が残る方法にする
- 事前申込の控え、契約書、振込明細などを保管する
窓口に聞くこと
- 蓄電池分の予算の残りと、審査から入金までの日数
- 太陽光発電システムがない家、または要件を満たさない家で、再生可能エネルギー電力メニューの契約が要るかどうか
- 手続の代行を頼む場合の範囲(DR実証に参加するときは、登録販売事業者への代行依頼が要件です)
問い合わせ先は、クール・ネット東京の創エネ支援チーム 蓄電池ヘルプデスク(電話 03-6737-5100、平日9時〜17時、祝日・年末年始を除く。2026年9月1日に番号が変更されています)です。
なお、令和8年度の「助成金申請の手引き」は、ページの更新情報に2026年6月5日の更新が載っていますが、手引き本体は案内ページ(動的な表示)にあり、この記事では中身を開いて確かめられませんでした。詳しい書類の書式や記入例は、案内ページの最新の手引きで確かめてください。
次にすること
- クール・ネット東京の令和8年度のページで、受付の表示とお知らせの日付を見る
- 住宅の所有者の承諾を取り、見積書の機器がSIIの令和8年度の登録機器かを確かめる
- 事前申込を済ませて受付の通知を受けてから、契約書に署名する
- 支払いは金融機関の記録が残る方法で行い、全額を払い終えてから交付申請兼実績報告を出す
- 東京都以外の自治体や、区市町村の補助も調べる場合は、国の補助が終わった後の探し方の手順で、公式ページを確かめる
この記事の内容は2027年4月1日までに見直します。年度が替わると、助成額、登録機器の条件、受付の時期が変わるため、新しい年度のページを優先してください。
出典(確かめた日)
- クール・ネット東京 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業(2026年11月7日)
- 家庭における蓄電池導入促進事業助成金交付要綱(令和8年5月22日改正、PDF)(2026年11月7日)
- 家庭における蓄電池導入促進事業実施要綱(令和8年2月17日改正、PDF)(2026年11月7日)
- 金融機関発行の証明書等に関するFAQ(クール・ネット東京、PDF)(2026年11月7日)
- 東京都 断熱・太陽光住宅普及拡大事業補助申請期間等(報道発表 2026年2月18日)(2026年11月7日)